那覇市牧志、十貫瀬(じっかんじ)に、今では伝説となったJAZZ BAR「うじゅむん」 という店がありました。
(*「うじむん」と呼ぶ人がいますが、「うじゅむん」が正しい。)
うじゅむんは、蠢(うごめく)という字に虫を一つ加えたマスターの造語です。 私が最初に「うじゅむん」を訪れたのは30年近く前(私が大学生の頃)で、十貫瀬一帯はもともと赤線地区でもあったため、終戦直後からある古い木造の建物(トタンぶきの小屋)が密集した、ただならぬ場末感の漂う風景の街でした。
その一角にあった「うじゅむん 」は、15畳くらいの小さなトタンぶきの店で、店の照明は裸電球、トイレは汲み取り式の「ぽっとん便所」、そしてBGMはドーナッツ盤レコードを搭載したジュークボックスと、そこだけ数十年間時間が止まっているようでした。
初めて入店した時にジュークボックスから流れていたBGMは、CCRの「Susie Q」で、サイケデリックにアレンジされた曲と、店の強烈なイメージが私の脳裏に焼き付いています。
マスターは気分によって店を開けるため、営業時間も不定、おつまみは缶詰のみ(さしみ等出されたら食中毒を起こしそうな店ですから・・・笑)。
そんないい加減で怪しい店ですが、客層は幅広く、建築関係、政治家、音楽関係、ファッション関係、マスコミ関係、芸術家(デザイナー、写真家、画家)、ドイツ人、や○ざ屋さん、スナックのママ、学生、不審者風の人?(笑)・・・・といろいろな人種のカオスで、なかには全国区で名のしれた有名人の常連さんも何名かいたようです。(プライバシーのため、名前は伏せます)
もう、何年も前に店は火事で焼失してしまいましたが、いまでもファンは多く伝説の店として語り継がれています。
「もう一度 うじゅむんへ行きたい」と思っていたあなたへ、私の脳裏に焼き付いた「うじゅむん」の風景をプレゼントします。 下手な画ですが (笑)