男性泌尿器BLOG

2018.07.10更新

『大幸薬品が、胃アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤として正露丸(

木クレオソート)の新たな活用方法を特許出願した。』というニュースを某ネットで見つけました。正露丸は日露戦争中に陸軍で腹痛予防薬として用いられ、「ロシアを征伐する」という意味から「征露丸」と名付けられ、第二次世界大戦後は「正露丸」という名称になったという話は有名です。あの独特の臭い、いかにも効きそうな感じがしますね。

 アニサキスとは魚介類の寄生虫の一種でイカ、サンマ、サバ、カツオ、サケ、アジなどによくみられ、その幼虫の長さは約2~3cmで白色の糸ミミズのような形態をしています。 アニサキスに寄生した魚介類をヒトが経口摂取すると、アニサキスは胃壁内に侵入して、「腹部の激痛」、「悪心」、「嘔吐」を引き起こし、さらには小腸に侵入して腸管アニサキス症を発症することもあります。

アニサキス症の治療は、胃の壁に噛みついたアニサキス虫体を胃カメラで摘出します。 アニサキスは-20℃で24時間以上、-18℃の場合48時間以上冷凍する事で死滅しますが、新鮮な魚介類を調理する際には目視で虫体を確認する事が必要です。また、良く噛んで食べる事もアニサキス症の予防となります。

以前私の勤務していた『おもろまちメディカルセンター』の消化器内科に、ある日アニサキス症の患者さんが緊急搬入され、内視鏡で虫体は無事に除去されましたが、その方はなんと那覇市内の某有名寿司屋の板前さんでした。 通常なら、アニサキス症による食中毒として店のイメージが悪くなりそうですが、おもろまちメディカルセンターのスタッフ間では、

「やはり冷凍ではなく新鮮な魚を使っているのでこの店は旨いんだな。」

「板前さんがアニサキス症になったので今後はこれまで以上にアニサキスに注意してくれるので安心して食べられるぞ。」

と、逆に高評価されていたのは店にとって『怪我の功名』でした。 

 

参考;

https://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0095.pdf#search=%27%E6%AD%A3%E9%9C%B2%E4%B8%B8+%E5%A4%A7%E5%B9%B8%E8%96%AC%E5%93%81+%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%B9%27

投稿者: 沖縄県のなしろハルンクリニック

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