世の中には珍病、奇病というものがいくつかございますが、今回は勃起の際にペニスが一定方向に曲がってしまうペロニー病という病気についてのお話です。
ペニスが曲がる病気なんて一般の方にとっては「見たことも聞いたことも無い。」のが普通ですが、泌尿器科医にとってはそんなに珍しい病気ではなく、しばしば見かける疾患です。
屈曲の程度はそれぞれで、軽度の弯曲から、ひどい人は90度以上も曲がってしまい、痛みを伴う場合もあります。 進行する事が多いので、勃起時の痛みやしこり、ペニスの屈曲に気づいたら早めに泌尿器科を受診しましょう。
ペニスが曲がる病気=ペロニー病について簡単にまとめてみました。
【Peyronie(ペロニー)病とは】
1743年にフランスのPeyronie氏が最初に報告
日本語名は「陰茎硬化症」、「形成性陰茎硬化症」、「ペロニー病」等と呼ばれる(ペイロニー病、パイロニー病と呼ばれる事もある)
【発生頻度】
・中高年に多く、2~9%の率で発症。(決して珍しい病気ではない。)
【症状】
陰茎の白膜にしこりが触れ、勃起した際に陰茎は屈曲する。進行すれば痛みや勃起障害も伴う。
【機序】
陰茎海綿体を包む丈夫な膜(白膜)にしこり(結節)ができる。
勃起の際に白膜は伸びるが、結節のできた部分は伸びないためにペニスが曲がってしまう。
【原因】
・不明 繰り返す微小血管障害や外傷、加齢、自己免疫異常等の説がある
・肥満、高血圧、脂質代謝異常、虚血性心疾患、喫煙、飲酒もリスクファクターとされる。
【治療法】
・保存的治療:漢方薬、ビタミンE,トラトニスト、コルヒチン、ステロイド等が試みられている。
・手術療法:保存的治療で改善が無い場合に検討する。
・自然治癒する場合もある