男性泌尿器BLOG

2016.03.30更新

前回の膀胱温測定に引き続き、今回も怪しいタイトルですがみなさんの期待を裏切らずに三面記事的な内容です。

 

これは私がまだ大学生の頃、夏休みを利用してある病院へ実習見学に行った際に遭遇したケース。

 30歳代の男性が緊急で開腹手術を受け、大腸の中からシャンプーのボトルが摘除されました。 

 

「どうして腹の中からシャンプーボトル?」

 

経過の概略は以下のごとくです。 男性は肛門に円筒状のシャンプーボトルが入ってしまい抜けなくなったとの事で救急外来を受診、医師たちが肛門鏡で確認をするとシャンプーのプラスティック製ボトルの底が見えた。 器具を使って何とか取り出そうとしても、ボトルの底は平坦でなかなか取り出せず、大腸カメラを用いて何とか抜去しようと頑張ってみたもののそうこうしているうちにボトルはS状結腸のあたりまで入り込んでしまった。 非観血的な方法は諦め、開腹術でついにそのボトルは取り出されたという訳です。

 

患者さんはごく普通のサラリーマン。 既婚者で二人の子供もいます。 どうしてこのような事態になってしまったのか尋ねると、「風呂場で足をすべらせて、シャンプーのボトルの上に尻もちをついてしまい運悪く肛門にボトルが刺さってしまった」という事だ。

 

原因はさておき、その患者さんは無事退院して後日職場へ提出する診断書をもらうために来院しました。 患者さんにとってはいよいよ大ピンチです。 『直腸にシャンプーのボトルが入っていた事』が職場に知られると赤恥である。

 

「病名は絶対に記載しないでください」と主治医へ嘆願するも病名の無い診断書は書けない。 主治医がさんざん熟慮して記載した診断書の病名は「大腸異物」、術名は「大腸異物摘除術」と虚偽ではないが玉虫色な診断になっていました。 

 

ネットで肛門異物を検索すると、他にもジャガイモ、ズッキーニ、卵、ビリヤードのキュー、うなぎ、フォーク等の異物の挿入例があるようです。 個人の趣味にケチをつける気はありませんが、医師不足で疲労困憊している救急医を困惑させないように一人だけで楽しんで頂きたいと思います。 

 

(注) 下記商品とは関係ございません。

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投稿者: 沖縄県のなしろハルンクリニック

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