男性泌尿器BLOG

2016.03.29更新

 体温測定方法には、口腔温測定(口の中)、直腸温測定、腋窩温測定(わきの下)があります。

家庭では腋窩測定で行われることが多いと思いますが気温や外部環境に影響を受けやすいのが欠点です。ですから正確な基礎体温を知るためには腋窩温より口腔温や直腸温測定の方が適しています。しかし直腸温の測定は付着した便の処理が煩わしいため一般家庭で基礎体温を測定する際には口腔温で測定することが多いと思います。

 

さて、今回の本題に戻り、「膀胱温測定?」 と皆さんは首を傾げたことでしょう。

 

これは20年以上前に先輩医師S氏から聞いた話です。 

20歳後半の女性が下腹部痛を主訴に救急外来を受診。 よくよく話を聞くと、尿道に体温計(当時は水銀柱のタイプ)が入ってしまい抜けなくなったのらしい。

結局その体温計は、レセクトスコープと言う泌尿器科専用の内視鏡を用いて抜去に成功したとの事だ。 

 

「どうして体温計を入れたのか」と主治医S氏が患者さんに問うと、「風邪で熱っぽいので、膀胱の体温を測ろうとしたら抜けなくなった。」との事。

どうも説得力の無い回答だが、優しいS氏はこれ以上患者さんのプライドを傷つけないように「これからは口腔体温で測って下さいね。」と優しく指導をしたとの事だ。

 

他にも学会等のケースレポートで尿道に異物を挿入して抜けなくなった症例報告があります。 例えば、電気コード、草の葉っぱ(ススキ等の細長い葉)、ネックレスチェーン等・・・・・。 

想像しただけで痛々しいのですが、世の中には変わった趣味をお持ちの人がいらっしゃるのです。 

 

TM1

 

 

投稿者: 沖縄県のなしろハルンクリニック

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