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2018.09.12更新
『肛門に指を入れて検査をする直腸診は絶対に嫌だ』
泌尿器科や肛門科等では肛門に指を入れて診察をする事(直腸診)があります。 直腸診では前立腺の状態(大きさ、硬さ、痛みの有無、熱感の有無、炎症ややガン)、肛門の締まり具合(神経の異常の有無)、痔や肛門出血の有無等が分かります。 しかしながら、『直腸診は屈辱的な検査』と感じる方が少なくないため医師の立場からしても直腸診を行う場合には気を使います。 前立腺疾患の症状がない患者さんにもルーチンで直腸診検査を行うことで『無症状の前立腺がんが早期発見できる可能性』もありますが、限られた診療時間内でルーチンに行うのは現実的ではありません。
私が医学部を卒業し、泌尿器科の医局へ入局した際に医学部の4つ下の後輩から『お願いだからすぐに直腸診をする泌尿器科医にはならないでください。』と突然言われたことがあります。詳しく話を聞くと、彼は高校性の頃に前立腺炎の症状で近くの泌尿器科を受診した際にいきなり直腸診をやられて恥辱に耐えられずトラウマとなっているとの事でした。
おそらく医師と患者さんとのコミュニケーションが不足(今で言うと、インフォームドコンセントの不足)していたのでしょう。
この後輩の訴えが影響しているのでしょうか、私が直腸診を行う際には、患者さんへ『直腸診検査の必要な理由』を説明した上でご本人が納得をされた場合にのみ直腸診は行うようにしています。 もちろん、拒否される方もいらっしゃいますがそれはそれで患者さんのお気持ちを尊重するように対応させていただきます。 『泌尿器科に行くと有無を言わせず直腸診をやられる』と思い込んでいる方、泌尿器科へのトラウマがある方にも安心してご相談いただけると幸いです。
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